山 行 報 告
2011/8/21〜24  大雪山系・クワンナイ川〜トムラウシ山     メンバ:大高ぁ、他7名 記録:大高ぁ




【コースタイム】

(8/21)  
羽田空港6:50=全日空4731便=8:30旭川空港9:00=9:30天人峡温泉9:45=9:50ポンクワンナイ川出合〜16:00カウン川二股(幕営) (1泊目)

(8/22)
カウン川二股7:05〜8:24黄金原からの沢分岐点〜10:45奥の二股〜14:00日本庭園〜15:50ヒサゴ沼避難小屋(幕営) (2泊目)

(8/23)
ヒサゴ沼避難小屋6:30〜9:00トムラウシ山頂〜10:30ヒサゴ沼避難小屋11:00〜12:00化雲岳〜18:15天人峡温泉駐車場(幕営)(3日目)

(8/24)
天人峡温泉駐車場10:30=旭山動物園=旭川市内=旭川空港19:45=全日空4738=21:30羽田空港(解散)




【記 録】

(8/21)
 始発の電車に乗り羽田空港へ。朝一番に間に合わない人は、前日空港の駐車場に泊まった人もいる。まだ酒が抜けていないようだ。満席の飛行機は穏やかな天気の旭川空港へ到着。窓からは一面の畑が見下ろせた。

 大雪は雲の中ではっきりしない。空港で予約していたタクシーの運転手と合流。ガス缶は持ち込めないので、タクシーの運転手に購入してもらっていた。天気は午後から崩れる予報だが、全くその気配がないほど、湿度のないからっとした晴れだ。

 途中の駐在所に登山計画書を提出。上川中部森林管理署にも入林届けが必要。入渓期間も7月1日〜9月15日までと決まっている。天人峡手前1kmあたりの駐車場でタクシーを降り、入渓の準備。

 木で埋もれた林道を進むと、ポンクワンナイ川の分岐点から沢に下りて入渓。想像していたのとは違い、何度も流れの強い川を膝くらいまで入り、徒渉を繰り返す。50分も歩くと箱と呼ばれるゴルジュに到着。

 流れが速く増水したらどうなるのか恐ろしい。ここは巻き道を通るが、その先も何度も徒渉を繰り返し腰までのへつりも出てくる。増水していたら最初の時点で敗退は決定的だ。その後広い河原になり、インゼルが続く。

 インゼルでは流れの横を歩くよりも中州のブッシュを歩いたほうが早い場合が多い。増水した跡の位置がかなり高い。増水すると、想像できない様子になるのであろう。虫が少ないのが助かるが、河原歩きにいい加減飽きてくる。

 天気予報通り、午後雷と雨。しかし長くは続かず助かった。ようやく小さな滝が出始めると化雲沢の出合がある二股に到着。ここが唯一認められている野営地で5張り以上テントを張ることが可能。

 幕地手前の滝あたりからオショロコマの姿が見えだしたのでさっそく釣る。型は小さいが数は多い。よほど飢えているのか、同じ釜でいくらでも、いったんばらしたやつさへ再度喰いつく。塩焼き、素揚げ、唐揚げ、味噌汁、いろいろにしていただいた。

 ノネズミがあらわれて我々のおこぼれを頂いている。ノネズミからうつることはないが、エキノコックスの中間媒体だ。夜は満天の星だった。

(8/22)
 二日目は朝から快晴。本日のハイライトだ。魚止めの滝を二つ越えると滝の十三丁と呼ばれるナメの連続が出現。これには本当に驚いた。美しい。特に黄金ヶ原からの沢を過ぎると、広いナメいっぱいに水が流れる様が延々と続く。

 途中、沢の真ん中にポツンと巨岩が鎮座している様も良いアクセントだ。ナメを終えると7mオーバーハング滝、奥の二股の滝と大滝が現れる。それぞれの滝上に一張りほどの小さいテント場ある。オショロコマは奥の二股の滝手前まで生息。このあたりは20cmを超える姿も見受けられる。

 この先は水量がぐんと減り、源頭の様相になる。お花畑の中を行くと次第に稜線が姿を現し、日本庭園と呼ばれる場所にふさわしいお花畑に池塘や雪渓、そして巨岩となり、そのまま稜線に飛び出す。時間が遅いのでトムラウシのピストンは明日にしてヒサゴ沼に直行。

 それでも到着は16:00になってしまった。雪渓を下降中、沼に動く姿、ヒグマか?一瞬身構えたが、キタキツネであった。沼への下降に大きな雪渓があり、ここで水を汲む。沼の途中にも雪渓があるが、避難小屋周辺には水は無く、あとは沼の水を沸かして飲むこともできる。

 沼は浅いが水は透明だ。25年前来たことがあるが、すっかり忘れている。小屋には4名ほど。テントは我々を含めて7張り。夜は10℃以下に下がり、星空が今日もきれいだった。

(8/23)
 三日目、目を覚ますとガスの中、まずはトムラウシのピストン。途中から霧雨となり寒い。ナキウサギのあいさつがそこらじゅうで交わされるが、なかなか顔を拝ませてくれない。風が無いので助かるが、風が出てくれば2年前の悲劇が想像できる。

 晴れていれば眼下に黄金ヶ原の大平原が望まれ、また遡行してきたクワンナイ川も振り返れるのだが残念。再びヒサゴ沼に戻り、テントを撤収して天人峡へ、化雲岳周辺はチングルマの一大お花畑。残念だがもう咲き終わった後。もう一度満開の時に訪れたい。

 小化雲岳あたりまでは砂礫や草原の歩きやすい道であったが、途中からぬかるんだ道になり、みんな靴の中がぐしょぐしょ。登り返してきた北大の女学生が長靴であったのがうなずけた。やっと第一公園から木道になり、高層湿原の散策となる。

 滝見台からは壮大な羽衣の滝を遠望。霧にかすむ旭岳も望まれた。涙壁と呼ばれるつづら折りを下ると、ようやく天人峡温泉に到着。すでに薄暗い。ホテルの方に聞くと駐車場にテントを張っても文句は言われないとのこと。また小さな休憩所もあり、そこで分散して寝ることにする。温泉に入り、最後の宴に酔いしれる。

(8/24)
 四日目、タクシーで空港まで行き先にチェックイン。私は実家で母とトマトや大豆の収穫をして休憩。他は旭山動物園と旭山ラーメンの食べ歩き。サッポロクラシックに男山、高砂酒造と旭川観光を堪能して帰宅した。

 ヒグマの痕跡に出くわすこともなくのんびりとした4日間であったが、天人峡近くにもたまに現れるらしく、エゾ鹿を咥えて雪渓を歩くヒグマ写真がホテルに飾られていた。他の大雪山の沢も訪れてみたくなった。